新規顧客を増やすには?SNS個別開拓の手順と例文
この記事の要点
- 紹介や交流会頼みは1〜3年程度で一巡するため自前の開拓が必要
- 自動送信ツールを使わず相手の事業に合わせた個別文面を1通ずつ作成する
- 初手で売り込まず15〜20分程度の情報交換から関係性を構築する
新規顧客を増やすには、紹介や既存の営業ルートに依存せず、自社の強みが刺さる決裁者へ直接個別の提案を届ける仕組みを作ることが重要です。従来のテレアポや飛び込み営業で成果が出にくくなっている場合は、経営者や事業責任者が自ら発信しているSNSを活用し、相手の事業課題に合わせた1対1のメッセージを送る開拓手法が選択肢となります。
事業を成長させ続けるためには、新規開拓の手法を定期的に見直さなければなりません。公的な支援機関である中小企業庁の公開情報でも、中小企業の持続的発展には新たな販路開拓が欠かせない課題として挙げられています。本記事では、紹介や交流会での顧客獲得が一巡した社長や営業責任者に向けて、SNSを活用して確度の高い新規顧客を開拓する具体的な手順と実践のポイントを解説します。
新規顧客の獲得で行き詰まる3つの要因
新規顧客を増やそうと動いていても、成果につながらない状況には共通の理由があります。まずは自社がどの段階で停滞しているのかを確認しましょう。
既存の紹介や交流会ネットワークの一巡
創業期から数年は、知人の紹介や異業種交流会、過去の取引先のつながりで案件を獲得できるケースが一般的です。しかし、こうした人脈経由の開拓はおおよそ1年から3年程度で一巡します。紹介頼みの状態が続くと、新規案件の獲得数が相手の都合に左右され、売上の見通しが立ちにくくなるという課題が生じます。
テレアポや飛び込み営業の効率低下
代表電話への電話営業や問い合わせフォームへの一斉送信は、受付でのブロックや担当者への未到達が起きやすく、商談化までの工数が膨らみがちです。決裁権を持たない担当者へのアプローチを繰り返すと、検討に時間がかかり、最終的に見送りとなるリスクも高まります。
相手の状況を無視したテンプレート営業
自社のサービス説明だけを記載した定型文を無差別に送る手法は、受信者に迷惑と判断される可能性が高く、返信を得ることは困難です。受け手は日々多くの営業連絡を受け取っているため、自分に向けられた提案でないメッセージは即座に読み飛ばされます。
SNSで決裁者を開拓する5つの手順
代表電話を介さず、経営者や事業責任者へダイレクトに連絡を取れる点がSNS開拓の強みです。以下の手順で進めることで、質の高い関係性を構築できます。
ターゲット像を具体化する
まずは自社の商材で確実に成果を出せる顧客像を言語化します。業界や企業規模だけでなく、現在どのような事業課題を抱えている人物かを設定します。
- 業種および事業モデル
- 従業員規模(例:5名から30名程度)
- 相手の役職(代表取締役、事業部長など)
- 直近の経営課題(採用難、Web集客の伸び悩みなど)
決裁者アカウントを選定する
SNS上でターゲットとなる経営者や事業責任者を検索します。直近1ヶ月以内に投稿があるか、事業や組織についての具体的な発信をしているかを確認し、稼働しているアカウントをリスト化します。
相手の発信内容や事業を読み込む
リスト化した相手のアカウントについて、過去の投稿内容や企業サイト、インタビュー記事を事前に確認します。どのような方針で事業を進めているのかを把握することが、次のメッセージ作成で重要になります。
個別化した1通目のメッセージを送る
定型文をそのまま送るのではなく、相手の発信に触れたうえで、連絡した理由を明記した文面を作成して送信します。
相手の反応に合わせて日程調整を行う
返信が得られたら、相手の関心事項に合わせた情報提供を提示し、短時間のオンライン面談などを提案します。
FacebookやLinkedInで、狙った業種・規模・役職の決裁者に1通ずつメッセージを送り、商談の日程調整まで代行します。
無料で資料を受け取る →そのまま使えるアプローチメッセージの例文
実際に決裁者へ送るメッセージの文面例です。相手の状況に合わせて「〇〇」の部分を具体的に書き換えて活用してください。一斉送信ツールによる機械的な配信ではなく、1通ずつ手作業で相手に合わせて調整します。
1通目:課題の共感と挨拶の文面例
〇〇様
突然のメッセージにて失礼いたします。株式会社△△の[氏名]と申します。
〇〇様のSNSでの「〇〇(相手の発信内容や新規事業の取り組み)」に関するご投稿を拝読し、事業への向き合い方に深く感銘を受け、ご連絡いたしました。
弊社では、〇〇業界の企業様向けに〇〇を支援するサービスを提供しております。貴社の現在の取り組みにおいて、〇〇に関する業務負担の軽減や効率化でお役に立てるのではないかと考えました。
突然のご連絡のため、すぐに商談をお願いする趣旨ではございません。もし貴社の今後の展開に少しでもご興味をお持ちいただけるようでしたら、情報交換を兼ねて15分程度、オンラインでお話しさせていただけますと幸いです。
ご多忙の折、恐縮ではございますが、ご検討のほどよろしくお願い申し上げます。
2通目:返信に対する日程調整の文面例
〇〇様
ご多忙の中、ご丁寧にご返信いただき誠にありがとうございます。
それでは、貴社の〇〇に関する取り組みについて、弊社の事例を交えながらお話しさせていただけますと幸いです。所要時間は15分から20分程度を予定しております。
候補日時として、以下の日程でご都合のよろしい時間はございますでしょうか。
・〇月〇日(〇)11:00〜12:00
・〇月〇日(〇)14:00〜16:00
・〇月〇日(〇)16:30〜18:00
上記以外でも調整可能ですので、ご都合の良い日時をお知らせいただけますと幸いです。
何卒よろしくお願い申し上げます。
SNS営業で失敗を防ぐための注意点
SNSを用いたアプローチは有効な手段ですが、運用方法を誤ると企業の信頼を損なう原因になります。次の点に注意して運用してください。
テンプレートの一斉送信・自動送信を避ける
自動送信ツールなどを用いて同じ文面を大量に送る行為は、スパム行為とみなされる恐れがあります。各SNSの利用規約に抵触し、アカウントが利用停止となるリスクもあるため、規約の詳細は各プラットフォームの公式ヘルプを確認してください。手間をかけてでも、1通ずつ相手の事業を理解した文面を作成することが結果的に商談獲得への近道となります。
法律やルールを遵守する
営業活動に伴う広告表現や宣伝活動には、法令の遵守が必須です。特定商取引法や景品表示法などの法令に関しては、消費者庁が公開しているガイドライン等の最新情報を確認したうえで適切な表示を行ってください。
最初から売り込もうとしない
1通目から商品の購入や長時間の商談を求めると、相手に警戒心を与えてしまいます。相手にとって有益な業界情報や他社事例を提供するなど、まずは対話を始める姿勢を持つことが重要です。
新規顧客の獲得ルートを安定させるためには、自社に合った適切な顧客リストの選別と、丁寧なアプローチの継続が欠かせません。次の段階として、アプローチ先を正確に絞り込む具体的なリサーチ手順を確認していきましょう。
よくある質問
- Q. SNS営業はどのような業種に向いていますか?
- A. BtoBの高単価サービスやコンサルティング、制作・開発など、経営課題に直結し決裁者がSNS上で活動している業種に広く活用されています。
- Q. 1日あたり何件程度メッセージを送るのが適切ですか?
- A. アカウントの運用履歴やプラットフォームの制限によって異なりますが、相手の投稿や事業を丁寧にリサーチしたうえで、無理のない範囲で1通ずつ個別に送ることが推奨されます。
- Q. 返信が来ない場合は再度メッセージを送っても問題ありませんか?
- A. 過度な追客は相手に不快感を与えるリスクがあります。再送する場合は1週間から10日程度の間隔を空け、新しい有益な情報提供を添えて1回のみ送るなど、慎重な対応が必要です。
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