新規開拓の営業方法と手順|SNS個別DMで決裁者に届く例文
この記事の要点
- 代表電話や紹介の限界をSNS個別DMによる決裁者アプローチで打開する
- ツールの一斉送信は避け相手の発信を調べた1通ずつの作成が信頼を生む
- 1通目は製品の売り込みを避け15分程度の情報交換を打診して商談化する
新規開拓営業の成果を高める方法は、自社の商材特性に合わせたアプローチ手法を選定し、決裁者へ個別に最適化した提案を届けることです。テレアポや飛び込みといった従来の手法が難しくなるなか、SNSを活用して企業の代表や役員へ直接連絡を取るアプローチが実効性の高い選択肢となっています。
新規顧客の獲得が滞ると、事業の拡大だけでなく既存顧客の解約に伴う売上減少を補うことも難しくなります。企業の事業環境整備については中小企業庁の支援情報なども参考になりますが、現場での案件獲得には自社主導の能動的な営業開拓が欠かせません。本記事では、新規開拓の代表的な営業手法を整理したうえで、特に決裁者に直接届きやすいSNS個別メッセージの手順と例文を解説します。
新規開拓における主な営業方法と特徴
新規開拓の手法は、自社から能動的に働きかけるアウトバウンド型と、相手からの問い合わせを待つインバウンド型に分かれます。それぞれの特徴を把握して組み合わせることが重要です。
アウトバウンド営業の手法
自社が狙いたい企業へ直接アプローチできる点がアウトバウンド営業の強みです。
- 電話営業(テレアポ):短期間で接触数を増やせますが、受付を突破して決裁者と話せる割合は会社によって幅があり、担当者の心理的負担が大きくなりやすい手法です。
- 問い合わせフォーム送信:企業サイトのフォームに案内を送る方法です。手軽に送信できる反面、担当部署で機械的に処理され、決裁者の目に留まらないケースが珍しくありません。
- レター・手紙送付:代表宛てに郵送する方法です。開封率は比較的見込めますが、1通あたりの印刷・郵送コストが100円〜300円(税込)程度かかるため、送付先を厳選する必要があります。
- SNSの個別DM:経営者や役員本人が運用しているアカウント宛てに、1通ずつカスタマイズした文章を送る方法です。受付を介さずに本人の受信トレイへ直接届けられます。
インバウンド営業の手法
相手の検討度が高まった段階で接触できるため、商談化しやすいのがインバウンド営業の利点です。
- コンテンツマーケティング:オウンドメディアや検索上位の記事からリードを獲得します。成果が出るまでに半年から1年程度かかる傾向があります。
- セミナー・ウェビナー開催:自社の専門知識を発信して参加者を集めます。企画から開催までに一定の準備工数を要します。
自社の人的リソースや予算に合わせて、これらの中から即効性と費用対効果のバランスが取れる手段を選び出します。
紹介やテレアポが限界を迎える3つの理由
既存のやり方で成果が出にくくなる背景には、営業環境の構造的な変化があります。
既存の知人・紹介ネットワークの枯渇
創業期や新規事業の立ち上げ期は、経営者の知人や過去の取引先からの紹介で案件を獲得できるケースが多く見られます。しかし、知り合いの母数には限りがあるため、おおよそ1〜2年で紹介が一巡し、次の新規開拓先が見つからなくなる事態が起こります。
リモートワーク普及による代表電話の不在
テレワークや出社と在宅のハイブリッド勤務を導入する企業が増えたことで、オフィスの固定電話に誰も出ない、あるいは代表電話が代行サービスへ転送される体制が一般的になりました。これにより、従来の代表電話宛てのテレアポは決裁者につながる難易度が大幅に上がっています。
テンプレートの一斉送信に対する警戒感
メールやSNSの自動送信ツールを使って、同じ文章を大量にばらまく営業手法が増えた結果、受け手側は型どおりの営業文を瞬時に見抜くようになりました。宛先だけを差し替えたような文章は読まれずに破棄され、自社の企業イメージを損なう要因にもなります。
FacebookやLinkedInで、狙った業種・規模・役職の決裁者に1通ずつメッセージを送り、商談の日程調整まで代行します。
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受付を介さずに経営者へ直接提案を届ける手段として、SNSを用いた個別アプローチが有効です。ツールによる一斉送信は行わず、手作業で1通ずつ丁寧に届ける手順を解説します。
1. ターゲットとなる決裁者アカウントの抽出
まずは自社サービスの対象となる企業規模、業種、役職を明確にします。SNS内の検索機能や業界ごとのつながりを辿り、代表者や事業責任者が本名または実質的な発信を行っているアカウントをリストアップします。フォロワー数にとらわれず、直近1〜2週間以内に本人の投稿があるかを確認することが重要です。
2. 相手の発信内容や事業方針の確認
メッセージを送る前に、相手の直近の投稿、公式Webサイト、インタビュー記事などを入念に確認します。どのような経営課題を抱えているか、どのような方針で事業を進めているのかを把握し、自社が支援できる文脈を探します。
3. 個別最適化したメッセージの作成
誰にでも送れるテンプレートではなく、「なぜその人に連絡したのか」が冒頭で明確に伝わる文章を作成します。相手の投稿への共感や事業への理解を具体的に盛り込むことで、営業目的の連絡であっても目を通してもらいやすくなります。
なお、各SNSプラットフォームの利用規約や禁止事項は定期的に更新されます。連絡を送信する際は、各サービスの公式ヘルプや規約を事前に確かめ、遵守した運用を行ってください。消費者との商取引や表示に関するルールについては消費者庁の公開情報を確認し、不当な勧誘や誇大表現にならないよう注意が必要です。
4. 適切なタイミングでの送達と返信後の日程調整
経営者がメッセージを確認しやすい時間帯を見計らって送信します。返信があった場合は、熱量が冷めないうちに候補日を2〜3営業日分提示し、速やかにオンライン商談へ移行します。
そのまま使える個別アプローチのメッセージ例文
相手の状況に合わせた個別メッセージのひな形です。「〇〇」の部分を相手固有の情報に書き換えて利用します。
1通目:関心と問題意識を共有する初回メッセージ
〇〇株式会社
代表取締役 〇〇様
突然のご連絡にて失礼いたします。
〇〇事業を展開しております、株式会社〇〇の〇〇と申します。
日頃より〇〇様のSNSでの発信を拝見しております。
特に先日投稿されていた「〇〇に関する課題感」について、
現場での実感を踏まえた視点に深く共感いたしました。
弊社では、〇〇業界の企業様向けに〇〇を支援するサービスを提供しております。
もし〇〇様が今後〇〇の強化をご検討されているようでしたら、
他社様での取り組み事例を交えて、情報交換の機会をいただけますと幸いです。
ご多忙の折、大変恐縮ではございますが、
まずは一度、15分ほどオンラインでお話しさせていただけないでしょうか。
何卒よろしくお願い申し上げます。
2通目:返信をいただいた後の日程調整メッセージ
〇〇様
ご多忙の中、ご丁寧なご返信をいただき誠にありがとうございます。
株式会社〇〇の〇〇です。
情報交換の機会をいただける旨、大変嬉しく思っております。
当日は〇〇様の現在の取り組み状況を伺いつつ、
役立ちそうな事例を簡潔にご紹介できればと存じます。
つきましては、下記の日程の中でご都合のよろしい時間帯はございますでしょうか。
所要時間は15分〜30分程度を予定しております。
・〇月〇日(〇)11:00〜12:00
・〇月〇日(〇)14:00〜15:00
・〇月〇日(〇)16:30〜17:30
上記以外でも調整可能ですので、ご都合がつかない際はお申し付けください。
お手数をおかけいたしますが、ご検討のほどよろしくお願い申し上げます。
新規開拓で成果が出ないときの失敗例と改善策
新規開拓が停滞する際には、アプローチの進め方に共通する問題が見られます。
失敗例1:1通目から長文で製品の機能を売り込む
自社商材の機能や導入メリットを初回のメッセージに過剰に詰め込んでしまうケースです。相手との信頼関係が築かれていない段階での一方的な売り込みは、相手に精神的な負担を与えてしまい、返信が得られなくなる原因になります。
改善策として、1通目は「情報交換」や「事例の共有」に絞り、相手にとっての有益性を短く提示することをおすすめします。
失敗例2:コピペ文章を大量送信してアカウントが制限される
同じ文面を短時間で複数のアカウントへ送信する運用を行うケースです。受け手からの通報リスクが高まるだけでなく、SNSプラットフォームの自動スパム検知によってアカウントの利用制限を受ける恐れがあります。
改善策として、相手の投稿や最新情報を反映した個別文面を、1通ずつ手作業で作成して送る体制へ切り替える必要があります。
まとめ:相手目線の個別開拓が新規案件をつくる
新規開拓営業で安定した成果を出すためには、自社都合の押し付けではなく、相手の課題や関心に寄り添ったアプローチを積み重ねることが基本です。テレアポや既存の紹介が頭打ちになった場合は、SNSを通じて決裁者へ個別に届ける仕組みづくりを検討してみてください。
よくある質問
- Q. SNSでの新規開拓営業はどのプラットフォームを使うべきですか?
- A. アプローチしたい決裁者が日常的に活動している媒体を選びます。BtoB領域では経営層や事業責任者の利用が多いビジネス特化型SNSや実名制プラットフォームが候補になりますが、各サービスの最新の利用規約やガイドラインを確認したうえで運用してください。
- Q. 1通目のメッセージを送る際に気をつけるべきマナーは何ですか?
- A. 突然の連絡であることへの配慮を冒頭に添え、相手の発信内容や事業に共感した具体的な理由を簡潔に書くことが重要です。最初の連絡で長大な自社製品の営業文を送りつけることは避けてください。
- Q. メッセージを送っても返信がない場合、再送してもよいですか?
- A. 相手が多忙で見落としている可能性もありますが、短期間に何度も連絡を重ねると迷惑行為と受け取られるリスクがあります。追客を行う場合でも一定の期間を空け、新たな有益情報を提供するなど慎重な配慮が必要です。
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